KOTODAMA İSTANBUL はじまり2015 (日本語版 / Japanese version)

Ön Kapak
鈴木郁子, Esin ESEN
2 Nis 2020 - 282 sayfa

トルコで日本を、日本でトルコを語る 共同著作


日本とトルコ、また両国につながりを持つ芸術家、作家、学者、研究者による共著。日本語とトルコ語で読むことができる。各執筆者がそれぞれの立場から見た日本・トルコ両国のつながりや、文化・文芸、歴史などについて文章を寄せている。あまり注目されてこなかった二国の文芸的側面に光を当てた珠玉の一冊。トルコのアルケオロジー・ヴェ・サナト出版にとっても初の試み。

70余名の手によって誕生した『ことだま・イスタンブル はじまり 2015』には、日本とトルコにとって非常に興味深い題材が収められている。これまで主に経済的な主題の上に成り立ってきた両国の関係に新たな風を吹き込み、研究や関係の構築に大きな影響を及ぼす一冊となるだろう。

 本書のプロジェクトを立ち上げたエシン・エセンは、トルコの日本文学・日本語学研究者。立ち上げに参加した名誉創刊者は、トルコにおける日本研究の草分けセルチュク・エセンベル(ボアズィチ大学教授)、トルコで最初に日本語学と日本文学研究で教授となったアイシェ・ヌール・テキメン(アンカラ大学教授)、トルコをテーマに執筆活動を続ける作家・新藤悦子。プロジェクトに賛同したアルケオロジー・ヴェ・サナト出版社長ネズィフ・バシュゲレンが出版を実現させた。編集は、エシン・エセンとトルコ文学研究の鈴木郁子。また、トルコの人気作家ムラット・ギュルソイが、プロジェクトの第一作を祝い、寄稿をしている。

『ことだま・イスタンブル』の第一版は左右に二つの表紙を持ち、右開きは日本語、左開きはトルコ語となっている。

 日本語サイドの表紙は、トルコの伝統芸術ミニアチュル作家の工藤理英。トルコサイドの表紙は、トルコの墨絵画家アイヌル・キュチュックヤルチュン。それぞれの二作品を組み合わせたものになっている。キュチュックヤルチュンの作品で、は日本文化の象徴のひとつ桜の中を、トルコの伝統影絵芝居の登場人物ふたりが舟をこいでゆく。どちらの表紙も両国の文芸・文化が融合した大変美しい作品である。

『ことだま・イスタンブル』顧問(敬称略、苗字のアルファベット順)

 ヴァネル・アルペル(在日トルコ商工会議所会頭)、ムラット・デュンダル(バフチェシェヒル大学准教授、建築・デザイン学部副学部長)、ムラット・ギュルソイ(作家、ボアズィチ大学教授)、ハヤト・ギュルダル(イズミル先端技術研究所/IYTE日本語講師)、工藤理英(ガラタサライ大学日本語講師、ミニアチュル作家)、アイヌル・キュチュックヤルチュン(イスタンブル芸文館、墨絵画家)、エルダル・キュチュックヤルチュン(ボアズィチ大学、博士)、宮下遼(大阪大学、博士)、中山紀子(中部大学国際関係学部教授)、沼田彩誉子(早稲田大学大学院人間科学研究科・日本学術振興会特別研究員)、アイドゥン・オズベク(チャナッカレ大学、講師)、イブラヒム・ソネル・オズデミル(博士)、ギュルゼミン・オズレンキ・アイドゥン(トルコ言語協会/TDK)、末冨敦子(筝演奏家)、杉山剛(アンカラ大学、博士)、鈴木郁子(翻訳)、ギュンセリ・タルハン(日本研究学会/JAD委員)、アルズ・ユジェル(日本イズミル文化友好協会/JIKAD)

『ことだま・イスタンブル はじまり 2015』翻訳者(敬称略、苗字のアルファベット順)

日本語→トルコ語:ヴァネル・アルペル、アイシェギュル・アルカン、メレッキ・カバ、ギュルナラ・カラサワ、シェイマ・ナルバント・アイハン、デルヤ・サカウエ、チャール・ヤヴァシュ、フィリズ・ユルマズ

トルコ語→日本語:安達智英子、河野理恵子、金井百合子・ユルドゥルムオール、窪優美子、町田・ダーデレン・なんみ、中沢由美子、大川博、鈴木郁子、土屋とも江、山崎和佳子、吉村大樹、浅野涼子

英語→トルコ語:キベレ・オズデン

英語→日本語:安達智英子

Yazar hakkında (2020)

鈴木郁子  成蹊大学文学部日本文学科卒業。出版関係に勤務後、近・現代トルコ文学に興味を持ち訪土。

マルマラ大学大学院トルコ学研究所で近・現代トルコ文学にて、修士課程修了。修士論文Ahmet HAŞİM’in Şiirlerinde Japon Haiku estetiğinin Tesisleri.(2011)。現在は日本在住。トルコ語翻訳、通訳、近・現代トルコ文学研究を行う。

Esin ESEN  [エシン・エセン] 日本語・日本文学研究者。アンカラ大学で、「万葉集における女流歌人とその詩歌―認知詩学;聞き手責任の視点から」によって博士号を取得。アンカラ大学日本語・日本文学専攻学科とボアズィチ大学トルコ語・トルコ文学学部で準学士、学士を取得。日本詩歌、『萬葉集』、平安時代の日本女流歌人の研究を行う。『紫式部日記』を原文から直接トルコ語へ翻訳した。日本語からトルコ語への直接翻訳をけん引する一人。日本語の基本的な特徴の一つである「聞き手責任」要素の翻訳において、認知詩学と関連性理論の観点からの考察を行った。

一九九〇年以降、日本語、英語、スペイン語の翻訳に従事。ガラタサライ大学、ボアズィチ大学で、前記言語の翻訳の授業を行なう。ボアズィチ大学アジア研究センター研究員。日本研究学会(JAD)委員。

翻訳に『月夜のチャトラパトラ(Kapadokya'da Çatra Patralar)』(新藤悦子、ジャン・チョジュク出版)、『細雪(Nazlı Kar)』(谷崎潤一郎、ジャン出版)。

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